てめぇら勝手に乱痴気しやがれ!(ALIVE)
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before / breathless2 峯田美穂
JUGEMテーマ:演劇・舞台


※!!caution!!※

ikiアナザーストーリー2話目です。
ぬるめですが性的表現がありますので(R15くらいかなあ
閲覧されるかたは注意してくだしあ。



覚悟はできているか?



俺はできている!→【more…】からどうぞ!



ikiアナザーはあと1話で完結。
続きを読む >>
| another side | 03:48 | comments(0) | - | 乱チキスターター |
memo『愛、無、ライヴ、意図』
JUGEMテーマ:演劇・舞台

たくさんの古書が詰まれているサロン。
いつからだったろう、気がつけば僕たちはここにたむろして、
各々好き勝手に語らい、黙し、聞いたり、聞かなかったりして
同じ時間を共有し、傷の舐めあいをするようになっていた。



「生きるの会」



誰かが、嫌味のように名づけた僕らのチームは
誰一人として、社会で生きることに希望を見出すことができないでいた。
絶望したいわけじゃないし、ましてや集団自殺を試みようなんて勇気のあるものもいない、
ただ僕たちは前向きに生きられない自分たちを変えたくて、
実感がなくてもお互いの背中を押して、
今日も希望を探して夜がふけ、朝になる。
目的を持って生きている人たちが羨ましい
でも世を捨てることも出来ない
本当に中途半端で、本当に社会のクズ。
それが僕たちだ。
こうして毎日毎日顔を突き合わせているけれど、現状は何も変わりやしない。
時間だけが過ぎていく。無駄だ。無駄な集まりだ。
何かしたい。一体何を?僕たちにできることなんてあったか?それでもしたいんだ。何かしたい。何を…
無限にループするばかり。ああ、愚かだ。



でもあるとき、このループを突き破る一言を、奴は発した。



「社会に逆襲しませんか?」



僕たちの存在を認めないくせに、否定もせず、腫れ物のように放置する社会に
逆襲を
しよう。



そんなのできないよ。ひとりが言う。
また口ばかりか。ひとりが言う。
そういうことできたらいいよね。ひとりが言う。
でもそれって、もしかして僕たちにとって希望になるんじゃないかい?ひとりが言う。
もう十分腐ったのだから、変わってもいいんじゃないかな。ひとりが言う。
できないかもしれない、でも、やる努力はしてみないか?ひとりが言う。



ーーーやろう。僕は、何かしたい。何でもいい。希望なら。



僕が、言う。



どうしようもない僕たちが
社会に逆襲なんて曖昧なことをやってのけられるのか?
結果はどうでも良かった、ただ、何かを変えたいという思いだけが愚かな僕たちを突き動かしていく。
生きるのかい。
僕たちは前に向かって生きていくのかい。
生きるのかい



ああ、生きているって素晴らしい



そう、言いたかっただけなんだよ。

| another side | 02:30 | comments(1) | - | 乱チキスターター |
before / lost ocean3 『finest error(前編)』鮫島瑛司
JUGEMテーマ:演劇・舞台




 
「お前…誰?」

漂うのは、薬品のつんとした匂い、それから特有の『病』を連想させる饐えた匂い、それから−−−排泄物の匂い。
発光してるんじゃないかってくらい清廉な白のシーツの中に、俺の『知らない』人間が呻いて蠢いている。

そうだ、知らない。
こんな。
こんな醜い姿の男を、俺は知らない。
パイプベッドの枕元にあるネームタグには、確かに知っている名前が書いてある。
でも、俺が知ってるその人物は、
でかくて、顔もそれなりに整っていて、豪快に笑って、自信たっぷりで、口を開けば自分の話で、というか黙ってることなんか無くて、いつも駆け回っていて、やる事為すこと無茶苦茶で、確かに惚れ惚れするほど完璧で、そこが鼻について、でも誰からも好かれていて

 

こんな、小さく痩せこけて、顔色もおかしくて、
絶望しか眼に映っていないない男じゃ、無い。

 

「うあう…ぐ…あああ……イタイ…イタイ・・・いたあ…」

 

醜い男が呻く。
鳩尾の下が、ぐ、と収縮する。
…やめろ…そんな、声、出すな…

「いいい…いやだあ………し に た ぁ い ・・・」
「お前、誰だよ…やめろ、こんな、こんな…っ…………!!」


嫌な感触が胸から喉元へ、急激にせり上がってくる。
俺は跳ねるようにその場を離れた。

 

 

「オ゛ぇエエエっ…う…うぇっ・・・!!!」
「だからやめた方がいいって言ったじゃん。びっくりしたー?」

便器に縋り付いていると、病院という硬質な空間と反作用する間延びした声が呼びかけてきた。
背中に手のひらが伸びてきて、ゆるゆると上下する。

「大丈夫?まだ吐きそう?」
「う…」
「くっさー。ま、この匂いも慣れちゃったけど。あいつのおかげで」

ははは、と薄く笑うその声は、どこか乾いていて。

「ほら、全部吐いちゃいなよ…って、酔ってる訳じゃないから、あんま関係ねーのかな」
「もう…へいき……」
「そう?じゃ、口ゆすごう」

「ほら立てる」肩を支えられる。
間近にあるその顔は、あの男と同じ形。一つの卵子を分かたった、双子の片割れ。
俺の知っているより、少し頬がこけたな、と
憔悴してぼやける視界の中でうっすら思う。

 

 

洗面台で酸っぱい味を洗い流したあと、とりあえず待合室で休もう、と言われたけど、
新鮮な空気を吸いたくて裏口から外へ出た。
植え込みと側溝しかないそこは日陰で、昼間だというのに寒々しい。
力が入らなくて、しゃがんで体重を壁に預けた。

 

「あげる」

 

ミネラルウォーターのペットボトルを差し出される。受け取るとひんやり心地いい冷たさ。
さんきゅ、と言おうとしたけど声が掠れしまって、変な声出たよ、って苦笑された。
キャップを捻って、ボトルを傾ける。
細長いシルエットの男は、気を遣っているのか少し間を空けた場所で、ゆったりと煙草をふかしている。
そうして俺がひとしきり落ち着いて、ペットボトルを横に置いたのを確認すると、火を地面でねじ消して俺の隣に座った。

 

「汚かったっしょ、兄貴」
「…」
「大変なんだよ、もうウンコオシッコ偉いこっちゃでさー、意味わかんないことギャーギャー言うしさー」

 

同じ形のそいつは、口角を上げて笑いながら、ベッドに臥す片割れについて語る。

 

のーみそと神経の病気なんだってさ。バイキンが入ってて、痙攣とかして、意識もぐっちゃぐちゃになって。
投薬治療なんだけど、一時緩和で特効性はなくって、つか現代医学上治すのが難しいらしくてさあー。
つかあの兄貴が病気なんて、笑っちゃうだろ?今まで風邪もほぼひいたことないんだよ。つか、あいつが病気やるなら性病くらいかなって思ってたし。
あ、でも女の子と遊んでるとこはあんま見たことない?よねえ。まあどうでもいいけど。
いやーあんな変人も人は人かあ。体は弱いもんだよね。

 

普段こんなにペラペラと喋ることなんかないのに。
冗談でも言うみたいに。

 

「さっき、『お前誰』って言ってたじゃん」
「…うん」
「いや、マジな話。…あんなん、兄貴じゃないよ。違う人間」
「……」
「本人が一番、分かってるみたいだけど」
「…え」
「ときどき症状が落ち着いて話せるときがあるんだけど。そん時兄貴、絶対言うんだよね。」
「殺してくれ、って」



どくん。
高鳴る心臓の音が、まるで真実を告げる鐘のよう。


「…」
「もうみっともねー姿、人に見られたくないって。プライド無駄に高いじゃん、あいつ」
「…」
「泣きながら頼まれるんだもん、参ったよ」
「……」

 

 

ああ…世界は、なんて、なんて。

 

 

「…残酷だ」
「ん?」
「あんな汚いの、絶対に俺の知ってるあいつなわけないじゃん。なのに、なのに、そんなこと言い出すなんてさ」
「…」
「そんなこと言われたらさ、あいつはあいつじゃないって、否定することができなくなるじゃないか」

 

だって。
俺の知ってる奴は、自分が醜くなることを心底嫌がるだろう。
もしそうなったなら、消滅を選ぶ。それを本気で望む男だ。
残酷だよ。逃げ場、なくなっちゃったじゃないか。
こんなにも鮮烈に、『現実』を突きつけるなんて。

 


どんなになっても、
あいつは、
自分自身を裏切りやしないんだ。

 

頬に体温を感じる。
さっき背中をさすってくれていたあの手が、今度は俺の目元をぐい、と擦った。

 

「あのさあ。俺、男の涙拭くのとか、趣味ないんですけど」

 

いつもと同じ間延びした抑揚の薄い口調でぼやく。
あまり他人に構うことの無い性分の癖に。
・・・こいつも、いろんな感情が噴出する間際、ギリギリのところにいるんだ。
端整な顔立ちが、普通を装おうとして、情けなく歪んでる。

 


「馬鹿だよ、あいつ」
「そうだよね」
「自分を完璧超人だと思いすぎてたんだ。だから、人としてちゃんと節度守らないから、変な病気になるんだ」
「俺もそう思う」
「本当に…しょーもない……」
「迷惑だよねえ」
「……そうだよ……迷惑だ…こんな…」

 

 

こんな。
痛くしないでくれよ。
人を失うことへの恐怖なんか、
絶望なんか、
知りたくなかった。

 

 

もう、我慢が出来なかった。
体裁なんか、構ってられなかった。
成人男子が、外で昼間から大声上げて、泣き喚いた。
隣の男も、「気持ち悪いからやめなよ」とか言いながら、
肩を震わせた。



頭を引き寄せられる。
自分たちは確かに正常な体温を持って、ここにいるのに。
もう、あの男は、もとに戻らないと、言うのだろうか。
どうして。何かを間違ったり、したっけ。





俺たちは、今まで一緒にいた時間の中で流した下らない青春の涙を
全部集めたよりずっと、たくさんたくさん、泣いた。

 





******************
続きます。

| another side | 09:03 | comments(0) | - | 乱チキスターター |
before / breathless 金井葵織
JUGEMテーマ:演劇・舞台


あたしには、ちょっぴりいけない妄想癖と、暴走癖がある。
そんなことはもちろん自覚しているし、
実はそんな自分が気に入っていたりする。
だって、人生楽しんだ者勝ちだもん。
そういうスパイスって、大事でしょ?





『あのふたりは、つきあってるんじゃないか』





噂を初めて耳にしたとき、当然あたしは大興奮した。
あたしの大好きな友達と、その同居人の女の子の噂。
女の子同士。
そのふたりが
つ き あ って る???
何その耽美で背徳的で官能的な展開!!ステキすぎる!!
その噂だけでいくらでも妄想できるし、
その妄想だけでご飯が何杯でもいける。いただきます、ごっつあんです!ありやとやしたー!!
…ふう。
今日もあたしの少女マンガ脳は絶好調ね。


「なあ、聞いてる?」
「のわあああ!!!はい!いいえ!はいえ!!!」
「はいえって…どっちだよ」


くっくっと浅く笑って、彼女は頬張ったサンドイッチを炭酸で流し込む。
喉が小さく上下に跳ねる。



「まあた何かエロイこと考えてたな」
「そんな!人を変態みたいに言わないでよ!」
「じゃあなんでそんなニヤニヤしてんだよ」
「それは…我ながら、今日もあたし特性おべんとうはキュートな上においしいなあって」
「ふーん?」



ニヤニヤしてるのはそっちだ。
からかうような視線を避けるため、あたしは自分のお弁当箱へ目をやる。
人前では一応、妄想については自重せねば。
自覚があるこそ、そこは品格を持ちたいと思っているのです!



お箸できつねいろの卵焼きをつまもうとしたら、視界の端から指がにゅっと現れて、目前にして攫われてしまった。

「あたしの卵焼き!」
「うん、まあまあだな」
「ちょうだいって言ってくれれば普通にあげるのに」
「ちょうだい」
「もう食べてるじゃん…」


まあまあなんて中途半端な評価つけたくせに、
もう一切れつまんで口に投げ入れる。
うん、やっぱりまあまあだな。
そう言って、卵焼きをつまんだ指先をぺろり、舐めた。




あ。




どきって、した。




爪、きれいに切りそろえてる。




ううん、女の子だし、そんなの当たり前なんだけど。
でも、その『女の子だし』って部分を全然気にしないがさつな彼女の、
異様に清潔感のある指先が、
なんだか
なんだか
ちょっと
……凶暴さを伴って、浮いていた。




あたしの少女マンガ脳は絶好調。
ふざけてるとかじゃなくて。
囁いてる、囁いてる。
これは、あたしの妄想なんかじゃない。




『あのふたりは、』




唇の端からちろりと覗いて、しまわれてく舌。
指先はすこし濡れて、光ってる。




『あのふたりは、』




あたしは息を呑んで、彼女の表情をまじまじと見つめた。
ああ。
この人、
確かに、



あたしの中で、たくさんのピースがいっきに繋ぎ合わさっていく。
そうなんだ。
時々感じた彼女の消え入りそうな危うさや、窮屈そうな瞬間。
そうなんだ。
この人は、
-----------辛い恋をしている。



「なんだよ、またニヤニヤして」
「いやらしいこと考えてました」
「やっぱりじゃんか」
「謝りますから、許してください」
「いいよ、もうお前のその部分に関しては諦めてる」
「ありがとう!」
「褒めてはいない」




しかたねえな、って笑う。
あたしは彼女のことが大好きだ。
大事な友達なの。
だから。
この少女マンガ脳を全力フル回転させて、
『心から』笑えるように。
おせっかい、って言われても
背中を押してあげよう。
天気のいいお昼間、お弁当をたいらげて、ひそかに決意した。







*********************
女の子のターン。
| another side | 05:11 | comments(2) | - | 乱チキスターター |
before / lost ocean2 『freeman』 鮫島瑛司
JUGEMテーマ:演劇・舞台

天才
って
言われなれてた。



高校までそれはもう神童のように扱われてきた俺は、
そのうえで嫌味なく立ち振る舞うことも覚えて、
健やかに穏やかに日々を過ごして、難なく美大にも合格した。



そしてはじめて、
自分よりも『才能のある』人間に出会った。



「お前、今日から俺の仲間な」
「え…なに、いきなり」
「心配するな、場所も金も確保してある」
「話が見えないよ」
「おもしれえぞ」
「…ならいいけど」
 


そいつは才能も、人望も、金も何もかも持っていて
自信過剰で俺様で嫌味ったらしくて
正直、最初に出会ったときは自分よりも上であることと人柄もあいまって、初めて人を憎しみ嫌いになりそうだった。
けれど、あっちは勝手に俺のことを構ってきて、
ベラベラと喋るだけ喋って去って
いつのまにかなんだかよくわからない計画に巻き込まれてて
それが当たり前のことになっていて。



こんな生活、望んでいなかったのに。
こんなの、知らない。




「ムカつく」
「あー?何が?」
「お前が」
「いきなりだなあ」
「初対面とか印象最悪だったし。あ、俺こいつと一緒にいたくないって思った」
「嘘言え」
「マジだよ」
「あっそ。でも今は違うだろう?」
「わかんない」
「違うよ。お前はお前自身が思ってるよりも、俺のことが好きだね」
「そうかな」
「そうだよ。鏡見てみろよ。ヘラヘラ笑いやがって。お前は俺と一緒にいるときが一番幸せなはずだ」
「俺ホモってこと?」
「そんなん知るか。こまけえことはどうでもいいけど、それが事実なの」





なんだか恥ずかしいような気色悪いようなことを、いけしゃあしゃあと言ってのける。
人は俺のことを変人っていうけど、
じゃあその俺が信じられないと思うこいつは、確実に人外ってことになる。





「兄貴」
鍵なしのドアが開いて、目の前のナルシストとおんなじ顔がひょっこり現れた。
「お、どーした」
「言われてた奴、声かけてみたよ。日本画科の金髪」
「おお!で、どうだって?」
「“なんで俺がしらねー奴の手下になんねーといけねえんだ、やんのか”だって」
「面白え!やってやろうじゃねえか!!」
「てか、なんで俺男に声かけなきゃいけなかったわけ」





一卵性双生児らしい。確かに並べば造形自体は綺麗なシンメトリーになっている、けど残念なくらい中身がばらばらの双子。
兄貴がナルシストの嫌味野郎なら、弟は完全にチャラチャラしたなんぱやろー。
一体こいつらの家庭はどうなっているんだろう。
両親もふざけてるんだろうな。特に父親とかやばそう。
想像したら勝手に発想がとんでもないところまで膨らんでしまって、
つい声を上げて吹き出してしまった。




「うわ、ひとりで笑ってる」
「だ、だって…はははは!!!あはははは!!!」
「弟よ、許してやってくれ。こいつ、俺の側にいるのが嬉しくて仕方ねえんだよ」
「ああ、そう。そういう感じなんだ。乙」
「ちがうって…あははは!!!」
「いいね、幸せで」
「ちが…あははは!!!」



駄目だ。一度ツボに入ると止まらない。



「マジでしょーがねえなあ。おい、俺は金髪を服従させに行って来るから、お前落ち着いたら来いよ」
「ははは…!うん!!あははは!!」
「え、今から行くの?」
「話ははえーほうがいいからな。どこにいた?」
「やだよ、兄貴ひとりでいけよ。俺、帰りたいんだけど」
「いいから連れてけって!!」



双子はお互いの主張を譲らないまま、騒がしく部屋を出ていった。
俺はひとしきり笑って、切れる息を整えながら、サークル棟の外へ向かう二人の姿を窓越しに追う。



「はあ…はあ…あ」
ふと、窓に映る自分の姿に気付いた。

なんて、
何て表情をしてるんだろう。




それなりに器用に生きていたと思っていた。
自由でいいねとか、やりたいことやれていいねとか、
いろんなことを言われたけれど。
でも、
違う。
俺は、自分も、今までまわりにいた人も思っていたほど、自分自身を思うとおりにコントロールできないみたいだ。
だって、
望んだ生活じゃないのに
人生の想定外だったのに。
それなのに。





こんなに緩んだ顔して笑ってるんだ。





せっかく落ち着いたはずだったのに、
今度はぐっとよく分からないもやもやが鳩尾の辺りに迫ってきて、
俺は窓に伏せる。
なんだ、これ。
こんなの、知らない。





情緒不安定なんだろうか。こんなに俺は、繊細だったろうか。
おかしいよ。
幸せすぎて、泣きそうだなんて。




部屋を見渡す。
奴が、「今後俺たちが世界制服をするためのアジトになる場所だ」って、当然のように言っていたことを思い出す。
これからここに、あいつが面白いと思った奴が
俺と同じように拉致されてくるんだ。
ひとり、ふたり。
そうして俺はさらに、そいつらのことを考えて、緩んだ顔をして笑わざるをえないことが増えていくんだ。



早く、はやく。はやく。
そうなればいい。
もっともっと、毎日が楽しくなればいい。



俺は、ここでの生活をあいしていくんだ。








*************
ぱーと2!
さらに昔のはなし。
| another side | 15:34 | comments(0) | - | 乱チキスターター |
before / lost ocean 相良弥栄子
JUGEMテーマ:演劇・舞台


「なあ、俺と世界征服しないか?」
「…はあ?」




冗談、といったふうもなく。
至って爽やかにそう言い放ったその男の、気持ちいいまでの笑顔をよく覚えている。




無茶苦茶。
理解不能。
馬鹿と天才は紙一重。
そんな言葉は、奴のためにあったのではないかと思う。




「何をしてるの」
「アキレスと亀だよ。それから、フェニックスの定理」
「…」
「なかなか手応えあって面白いぜ。一緒に解くか?答え出したら俺らマジで大金持ちになれるから」
「あんたなら解きかねないね」
「当たり前だろ。なんたって俺様だからな」




「3ヶ月もどこへ行ってたの」
「世界の中心を探しにな!はいこれおみやげ。俺様の愛、みんなで仲良く分けろよ」
「…マカダミアナッツ、香炉、マトリョーシカ、デッドシーソルトの入浴剤…3ヶ月でどういうルート辿ったの?」
「結局世界の中心は場所じゃねえな。俺だな」
「素敵な解釈ね」
「でもまあ、世界を渡り歩くのは悪くなかったよ。なかなかロマンチックだったぜえ、ゆらゆら色を溶かして揺れるオーロラ、まるで異世界みたいな青の洞窟」
「そう」
「お前にも見せてやりたかった」
「…。いきなり失踪したのは誰」
「寂しかった?」
「はあ?」
「ごめんね残して行っちゃって」
「ベタベタしてくるな気持ち悪い」
「あ、ちょっと痩せた?そんなに俺のこと」
「調 子 に 乗 ん な こ ろ す ぞ」
「あはは!まあそう怒るなよ。今度はちゃんと、言うから」
「・・・・・・別に、構わなくていい」
「素直じゃねえなあー」




「告白された」
「うん?」
「好きだって、言われた」
「おお、とうとう言いやがったか」
「…絶対普段いかねーだろってお洒落なお店に誘われた。真っ赤な顔して、手震わせて、見てらんなかった」
「へえ」
「緊張しすぎてろれつまわってないの。ワイン零すし」
「期待通り!」
「…」
「で?」
「でって…」
「お前は何て言ったんだよ。告白に対して」
「…美味しかったの」
「ほう」
「あんな奴が選んだ店なのに、すごく美味しかったの。パスタ。おすすめのボンゴレ。---涙が出そうなくらい」
「ふうん、お前ボンゴレ好きだもんねえ。いいとこに目つけたじゃん」
「…つい。いいよって、言った」
「おめでとう!いやあ青春だねえ!素晴らしい!やっと奴も報われたかー」
「…ねえ」
「なんだよ彼氏できたんだからもっと浮かれろよ」
「ほんとはあのお店、あんたが選」



「仲良くしろよ。あいつなら、お前を大事にするだろう」



「………うん」







密葬、とは言わないけれど。
葬式は、家族とごく近しい人間だけが集って、粛々と行われた。
案外あっさりしたものだな。
確かに泣いている者もいる、でもこの場を支配しているのは悲しみや後悔ではなく、無色透明、無音、ゆるゆると体と体の隙間を通り過ぎるだけの波のよう。
報せを聞いたときは無条件に黒い感情に陥ったのに。
こうしてお線香の優しい香りのなかでその箱を目の前にすると、逆に嘘くさく感じてしまう。
「どっきりでしたー!!ぎゃははは!!」
この蓋をぶち破って、ギャグみたいな白い三角の布を額にひらひらさせながらピースを繰り出してくるんじゃないか。
そんな下らない妄想のほうが、妙に実感というか、現実味を持っている。
でも、
けど。
箱は、箱として横たわったまま。
軋みもせず、無機物としてあたしたちとその中を隔てる絶対的な境界線。
そう。それはただただ事実だった。




「なあ」
肩に温もりを感じて振り返れば、情け無い笑顔があった。
「大丈夫?」
「何が」
「…いや、なんとなく…背中、小さかったから」
何年一緒にいても変わらない不器用さに、少し笑う。
その後ろには、同じように人間のコミュニケーションレベルの最下層にいるやつらが、落ち着かない視線をこちらに向けてくる。
馬鹿じゃないの。
ああ。どうして、あんたたちはそんなに。
あたしは。…そんなもの、いらなかった。



「揃いも揃って、喪服が似合わないのね。馬子にも衣装でもない。着られてるってこういうこと」
「今言う?それ」
「だってそうじゃない」
「そうかもだけど」





あたしはひとり、『女の子』だった。






あれはもしかしたら、恋だったのかもしれない。
ううん、しれない、じゃなくて。そうだった。
あの男に惹かれてあたしが仲間たちのもとへ交わったのなら、
そもそもあたしが彼らと同じように仲間、としてだけ純粋にそこにいられるはずが無かったのだ。
なのに、
あたしはそれをひとり悲しみ、裏切られたような気になり、被害者面をして拗ねて捻くれて、彼らから離れることを選んだ。
子供の我侭でしかない。
与えずに求めるなんて。



「ごめんね」
「え?」
「…好きだったのよ」
「…」
「好きなんて通り越してた」
「…うん、知ってたよ」
「そうだよね。みんな、知ってたよね」
「…うん」



それでも一緒にいてくれた。
気付かない振りをして。
優しい嘘をつき続けてくれたんだ。



「もう、大丈夫だから」
「…」
「今まで仲間にしてくれて、ありがとう」
「……うん」




今度はちゃんと言うからって、言ってたくせに。
みんなも嘘つきだけど、あんたもたいがい嘘つきだ。
結局さいごまで、自己中な奴ね。
ほとほと愛想もつきたっつーの。



だから、あたしはもう仲間をやめる。
さよならも言わない。
永遠に歳を取らなくなったあんたを置いて、
社会って大きくて小さな世界にまぎれて、ちゃんと、大人になっていくんだ。






ざまあみろ。いなくなったナルシスト









**********************
世界で250人だけの、ありがとうの人たちへ
愛のお返し。

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| another side | 12:47 | comments(0) | - | 乱チキスターター |
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